PAN- PROJECTS

Infinite field

Infinite Field はLIXIL財団が主宰する国際コンペで最優秀賞を受賞した後、北海道に在るLIXIL財団が所有する実験住宅場であるメムメドゥズに竣工した。この小さな幾重にも重ねられたテキスタイルで構成されている実験住宅は、現代社会が失いつつある自然と人の繋がりを再考し、再構築するというLIXIL財団の意志を反映するものである。本計画は、24時間以内に数人で設置が可能であり、また解体し軽トラック1台で移築することが可能なようデザインされている。

Description

本コンペの要項は、矛盾する建築的挑戦を要求するものであった。それは、実際に移動可能であるために軽量でありながらも、北海道の厳しく変化に富む自然環境に対する庇護、つまりは十分な建築的強度を達成しなくてはならないというものであり、その空間は同時に現象学的な意味合いにおける軽やかさと快適さを持つことが要求されていた。これらのテーマに対し我々は、大樹町の壮大な自然環境をシームレスに空間と接続することにより人と自然との交流を促進する在り方を模索した。その中で北海道の自然現象はデザインの各段階において多くを我々に語ってくれた。冬季に広がる雪原とその反射光は計画をランドスケープと結びつけ、風を防ぐために建築は方向性を持ち、ダイヤモンドダストを始めとする視覚的現象への着目など、全ては敷地の特性によるものである。

地面より持ち上げられた床は、この地域の平均積雪量の高さに設定されており、冬季には雪原と一体化し、床下空間を断熱すると同時に、そこからは360度のシームレスな風景を眺望できる。床に作りつけられた背もたれは、様々な体勢で人々が滞在することを可能にすることを意図されており、これを起点に座ったり、寝転んだり、中心の火鉢を囲んで会話を楽しんだりすることができる。

主構造となる3本の柱は、空間を覆う一連のテキスタイルを支持するものである。外部には防水のための素材が使用され、内部ではより触覚的で柔らかな素材が空間を創り上げており、その独特な形状は内部に挿入されたリングにより形成されている。本計画では硬い壁により空間を分節することを避け、層状に構成されるテキスタイルを用いたグラデーショナルな空間を作り上げており、これにより縁側空間を拡張することを達成した。また、この敷地において周囲の豊かな自然を内部の空間体験に還元したいという欲求は疑いようもないものであるが、それは内部の熱環境に関する要求と矛盾することとなる。しかし、そうした課題に対してもこのテキスタイルによる幾重ものレイヤーを衣服のように纏う空間の構成が回答となった。寒い季節には異なる度合いの断熱性能を持つ布により滞在者を包み込み、暖かい時期にはそれらが開放されることで涼と眺望を得ることができる。こうした布による構成は、滞在者自らが周辺環境との関係性を調停することを可能とし、自らを包み込み閉じた環境を作り上げることも、それらを開放し自然と一体的な空間にすることもできる。

Information

LOCARION
Hokkaido, Japan
DATE
October, 2016
AREA
10㎡
FUNCITON
Folly
STATUS
Built
COLLABORATOR
Kengo Kuma & Associates
DESIGN TEAM
Kazumasa Takada, Bas Spanderman, Ben Tan, Jesse Thomas, Kostas Fetsis, Scarlett Hessian, Anders Brix
SPONSOR
Kvadrat, LIXIL Foundation
PHOTO CREDIT
LIXIL Foundation