PAN- PROJECTS

FOS

本計画はベルギーのフランダース地方、フランスとの国境近くに位置するコルトレイクにおける、産業遺産の新たな利活用を目的としたものである。コルトレイクに限らず、欧州の多くのポスト産業都市は類似の産業遺産の利活用に関する都市問題を抱えている。それらがリノベーションされ新たに再活用される例は多く大都市で見ることができるが、一方コルトレイクのような地方都市において、経済的にそれは容易なことではない。本プロジェクトはこうした問題に対し、「仮設利用」というこれまでとは異なる産業遺産の利活用の可能性を示すことを試みた。

Description

コルトレイクは古くからリネンの繊維産業で栄えた町であったが、戦後産業は国際化の流れを受け急激に衰退し、この土地に多くの廃工場を生み出した。それらは一部を除き現在も使用されること無く放置されており、市はその利活用の方法を模索していた。

この土地の廃工場の多くは主構造に問題は無いが、屋根材の劣化が激しく、それらが落下してくる危険性があるために内部空間を使用することができず、かつ経済的に改修することも困難であるという問題を共通して持つ。
こうした現状に対し我々は、1枚の大きな布をセキュリティーネットとして内部に挿入することで守られた空間を生み出すと同時に、新たな空間体験をつくりだすことで、この土地独自のユニークなポップアップ型の文化スペースとして、これらの産業遺産を仮設的に利活用する提案を行っている。

FOSはこうした目的のためにデザインされたツールである。約2700平米の建設用タープで構成された1枚の布上に、1x3mグリッドで取り付け部が設置されており、それらの任意の箇所を専用のパーツで既存工場の鉄骨に取り付けることで安全な内部空間を生み出すと同時に、全く異なる空間体験を創りだす。
また折りたたむことにより、軽トラック1台で輸送することが可能であり、設置も数時間で完了することができるようデザインされているため、様々な異なる工場に容易に移設することが可能となっている。
FOSは、端的に述べるならばサーカスの移動型テントの異形であり、その違いは、FOSはその構造として既存の産業遺産を利用する点にある。町の様々な場所に一夜にして現れるサーカス団のテントの様に、町に散在する廃工場に突如ポップアップのイベントスペースを作り出し、土地の産業遺産を活性化するのがFOSの機能である。

Information

LOCATION
Kortrijk, Belgium
DATE
December, 2018
AREA
780㎡
FUNCTION
Spatial installation
STATUS
Built
COLLABORATOR
Future of Space, Jaenan Lim, Jasna Dimitrovska
SPONSOR
City of Kortrijk, UNESCO Creative City
ORGANIZER
Designregio Kortrijk
PHOTO CREDIT
Yuta Sawamura Photography